銀杏


それに私の悪口言ってるって友美から聞いた。

じゃあ、あの鋭くて冷たい視線も…。

感じたときは近くに必ずいた。

嫌…嫌だよ尊。

そんな人と仲良くしないで。

咲はここにいる。

お願い、置いて行かないで!



いくら心の中で叫んでも尊には届かない。

楽しそうに話す尊の後ろ姿が悲しくて、隣を歩く人が憎い。

同じ方向へ歩くのが嫌で、反対の方へ足を進めた。




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