銀杏
やっぱり一番で二位の人とは体半分ほど差がある。
このまま行けば優勝だ。
三分の二を泳いだ時だった。
急にスピードが落ち、あっさり二位の人に抜かされた。
え…。あれ?先輩、どうかしたの?
後少しでゴールという時、三位だった人にも抜かされた。
…嘘。何で?
信じられなかった。
今、目の前で起きたことが信じられなくて呆然とした。
先輩は掲示板を確認することなくプールから上がると、プールサイドに座って左足のふくらはぎを触ってる。
顧問が駆け寄って何やら会話を交わすと、肩を借りてそのままプールサイドを後にした。