銀杏
〈尊side〉
「咲。俺明日クラブあるんだけどお前休みだろ。どうする?」
俺は一人になるかも知れない咲を心配して訊いた。
「んー、たまには尊の練習見に行こうかな。一度も見たことないし。」
「…来るの?」
「何か嫌そうね。私が行ったらまずいことあるの?」
疑いの目を向けた。
「…嫌とか…そんなんじゃないけど。」
「何よ?」
「練習より試合の方がよくね?明後日なんだ。」
「ホント?行く行く。どこでやるの?時間は?」
「場所は緑地公園の中のテニスコート。時間は…。」
「わかった。じゃあ、明後日楽しみにしてる。明日は友美と遊ぶから。おやすみ。」
昨日、咲の友だちの友美ちゃんが訪ねて来た。
一緒に住んでることを聞いてなかったことが随分ショックのようだった。