銀杏
尊と元に戻ったいつもの関係。
よかった。やっぱり仲良くするのが一番だ。
私もそろそろ第2コートに行こうっと。
コートに向かって歩いてる時だった。
「一文字さん?」
後ろから呼び止められた。
振り返るとプラネタリウムで会った先輩と後二人の先輩らしき人。みんなユニフォームを着てるからテニス部の人なんだろう。
「……。」
「天宮くんの邪魔、しないで欲しいんだけど。」
「え?何のことですか?」
「わかんないの?これだからテニスを知らない人は…。」
彼女はやってられないというように大きなため息をわざとらしく吐いた。
「あんな大声で叫んで気が散るじゃない。
彼今回の試合、期待されてるのよね。あんなことされちゃ迷惑よ。
それにあなたがいるってわかっただけでイライラするから帰ってくれない?
私もまだ試合があるし、これで最後だから思いっきりやりたいわ。」