銀杏
家から自転車で図書館までは10分。また日射病になっては敵わない。ちゃんと帽子を被って家を出た。
途中、大きな広場のある公園の中を通り、木立のペンチの側を通り過ぎた。
そこから少し離れたもうひとつのベンチに若い男女が座っている。
同い年ぐらいかなあ。
いいなあ、彼氏彼女がいる人は。
でも、何か楽しそうというより深刻な雰囲気。
……。
あれ…もしかして、友美?
じゃあ、男の子の方は…?
あれは…尊だ。
何で尊と友美が…。
自転車を止めて様子を見ていた。
しばらくすると二人は立ち上がって、友美は公園を抜けて国道の方へ。尊は図書館に向かって自転車をこいでいく。
何の話をしてたんだろう。
尊から少し遅れて図書館へ向かった。