銀杏


「…お…おかしい…て何がよ?」

「遊歩道で何で足挫く?段差も何もないとこで。
それに帰り。
タクシー乗り場に着くまでキョロキョロして、回り気にしてただろ?」

だってあの先輩におぶってもらってるとこなんか見られたら、後で何をされるかわからなかったんだもん。
落ち着いてなんかいられなかった。

…尊には隠し事は通用しない。私がうまく誤魔化したつもりでも全部バレてる。それは尊が隠し事しても私がわかるのと一緒だね。

「じゃあ私が全部話したら、尊も話してくれるって約束して。」

「わかった。…店、混んできたし、腹も減ったから帰るか。」

「うん。」




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