銀杏


理科の時間、電磁石を作ることになった。こういう事に得意な尊はちゃっちゃっと作り、一番に出来上がった。

もたもたとちっとも進まない私の横に来て、「まだそんなとこやってんのか?」と声をかけた。

「だって…。」

「ここはさ、こうして繋いで…そうそう。んで次に…。」

私の苦手な事になると、いつも手助けしてくれる。意地悪だけど、優しいとこもあって、男の子って不思議だな、と思ったんだ。




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