銀杏
「そっか。尊も同じこと考えてたんだね。私もそう言おうと思ってた。」
「もう正門で待たないから。」
「わかった。」
「それと一つ訊きたいんだけど。」
「何?」
「友美ちゃんは先輩に関する色んな噂があるって言うけど、咲は何か聞いたか?」
「ううん。何も。」
「だろ?俺も聞いたことないんだ。テニス部の仲間とはうまくやってるように見えるし、誰かをいじめてるなんてのも聞かない。友美ちゃんが聞いた噂って、どこが出所なんだろ?」
「そういえば…そうだよね。」
「一度確かめた方がよくないか?」
「じゃあ、明日クラブが終わったら家に来てもらう?学校では話さない方がいいでしょ。」
「そうだな。明日誘ってくれな。」
「オッケー。」