銀杏
「どうぞ、入って。」
「お邪魔しまーす。」
友美をリビングに通す。
「お茶持ってくる。適当に座ってて。」
「うん。お構い無く。」
リビングを出るとちょうど尊が帰って来た。
「ただいま。」
「あ、お帰り。友美来てるよ。」
「じゃあ、着替えたら行くよ。」
尊は二階に上がって行き、咲はお茶を持ってリビングに戻った。
「ねえ、さっきの話。説明してくれる?」
「さっき?何だっけ?」
「もう!小さい時から私の好きな人知ってるって言ったじゃん。」
声のトーンを落として、尊に聞こえないようにヒソヒソ言った。
「ああ、その話…。むふふふ…。」