銀杏


それから後も、自分が割った花瓶を私がやったことにしたり、私がやった手伝いを自分がやったと自慢したり、もう散々な目にあってきたのよ。

何でこんな目にあうのか、私を目の敵にしている理由がわからなくて、母親に泣いて訴えたわ。
母は『あの子はきっと友美が羨ましいのよ。』と言ったの。
何で私を羨む必要があるのかわからなかった。

母の話によると、前の父親からひどい目にあっていて、父親の言うことは絶対だったらしい。

気に入っていたおもちゃや可愛いノートなんかを見つけると、勉強には必要ないと捨ててしまったりしたみたい。
彼女のお母さんは、子どもが可哀想だと言っても聞き入れてもらえず、離婚に至ったと聞いた。

とにかく勉強さえしてれば満足で、成績のことにもかなり煩かったって。




< 190 / 777 >

この作品をシェア

pagetop