銀杏


「いい?いくよ。」

リビングのソファーの背もたれの上にカメラを置き、タイマーを入れ、テーブルを挟んでカメラの前に座る。

ジ―――

シャッターが切れる瞬間、尊は咲の両頬を挟んで

…潰した…。

カシャッ

「尊――っ!何すんのよ!?」

「まともに撮ったって面白くねえだろ?楽しくしてやったんだ。感謝しろよ。」

キーッ、悔しい!!

「私だけ変顔なんて許さないんだから!尊の変顔だって撮ってやる!!」

ドタドタと逃げ回る尊を追いかけた。

ソファーを挟んでおちょくる尊をじっと睨みつける。

ソファーの回りをぐるぐる回って埒が明かない。
思いきってソファーを乗り越え捕まえようとした。




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