銀杏


「えっ…ちょっ、待て!危な…。」

「きゃああっ!」

支えようとした尊の上に落ちた。

尊は瞬間、ぐっと咲を抱き締めそのまま倒れた。

「…いったあ…。」

「…嘘つくな。どこが痛いってんだ。」

「あ…あれ?痛くなかった。ごめん、大丈夫?」

「……。」

「尊?どうしたの。離してよ。」

密着した体が熱くなる。

お互いの鼓動が早くなるのがわかる。

抱き締めたまま、手を緩めてくれない尊に戸惑っていると、リビングの扉が開いた。

「ただい…。何やってんの、二人とも。何かあったの?」

おばちゃんが帰ってきた。




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