銀杏

福田くんの入院



季節は夏へと移り変わる。

水はまだ少し冷たいけれど、これから大会に向けてしっかり泳ぎ込んでいかなければいけない。

人数が少ない分、一年生まで出ることになっている。

プールサイドで準備運動をしているときだった。

プチッ…

え…何?今の音。

音が聞こえた途端、部長の顔色が急に変わった。

眉間にシワを寄せ、険しい顔つきで叫ぶ。

「今のは誰だ!?」

部長だけでなく、音が聞こえたらしい先輩たちはみんな緊迫した表情をしてる。

確か福田くんの方から…と彼の方を見ても、キョトンとした顔をしている。

あれ…違った?

咲の視線に気づいた部長は「福田か!?」と彼に近づいた。




< 228 / 777 >

この作品をシェア

pagetop