銀杏
病室を訪ねると、福田くんは明るい笑顔で迎えてくれた。
「もう、退屈で退屈で。おっ、漫画貸してくれるんすか?やった、ラッキー。
一日ゴロゴロしてるだけで足首以外元気っすからね。
ゲームは禁止令が出てるんすよ。電磁波の関係で傷の治りが遅くなるらしくて…。
え…一文字、これ何?随分重そうだな。
げっ、お前何考えてんの。こんなん持ってくんなよ~。せっかく学校に置き勉してたのに。
えっ試験?
わちゃー、期末試験か。で、勉強しろってか?
はあー。
ノートは毎日届けてくれんの?
…いいのか?
毎日一文字の顔見れるんなら頑張ろっかな、俺。
あいて!お調子者…て。
こういう時ぐらいしか言えないんだから多目に見てよ。」