銀杏
「だって.尊は意地悪するかと思えば優しいとこあるし、他の女の子とは喋るのに私には喋ってくれない。無視するくせに気がつくとこっち見てるし。尊が全然わからない。」
「そうかあ。そういや家でもあまり喋らなくなったね。尊も成長してるのね。ふふ…。
咲ちゃんは体は大人になったけど、心の中はまだまだ大人じゃないでしょう。尊もおんなじ。体の成長に心が追いついてないの。だからきっと尊自身も戸惑ってるんじゃないかな。
素直に気持ちを表すことができない。でも相手に気づいて欲しい。言わなきゃわからないのに、言わなくてもわかって欲しいと言うか…。矛盾してるよね。
きっとこれからもっとわからないこと出てくるよ。でもそれは咲ちゃんが嫌いとかじゃなくて、咲ちゃんと同じ様にわからないんだと思う。
尊が酷い事したらちゃんと言うんだよ。尊もまだ幼いとこあるから言わなきゃいけないからね。」
そっか。尊も色々あるんだ。
「うん。おばちゃん、ありがと。ちょっとスッキリしたよ。」