銀杏

絡み合う心



北条さんの後ろ姿を見送っていると、自転車のブレーキ音が響いた。

「ただいま。今の誰?」

「あ、おかえり。クラスメートの幼なじみなの。福田くんを送ったらたまたま出会って家まで送ってもらっちゃった。」

「福田…てあのアキレス腱切った奴?大丈夫だったのかよ?」

「うん。松葉杖だったけどちゃんと帰って来れたよ。」

「…ふーん。わざわざ送ったんだ。」

どことなく不機嫌に見えるのは気のせい…?

「…で、今日の結果はどうだった?」

あれ?いつもの尊だ。何だ、思い過ごしか。

「ふふーん。」

得意気にVサインを目の前につき出した。

「一位?」

「ちがーう!そんなに甘くないよ。入賞したの。」

「何位?」

「四位。」

「おっ、やるじゃん。」

「エヘヘー。」

くしゃくしゃと頭を撫でてもらいながら家に入った。




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