銀杏


夜、久々に尊が咲の部屋に来た。

「どうしたの?珍しい。」

「お祝い。」

そう言ってコンビニの袋を目の前に差し出した。

「わあ、何、何?」

中には生クリームのたっぷりのったプリンと、ジュースが二本入っている。

「あ、プリンだ。でも一つしかないよ。」

「俺はジュースだけでいいから。」

スポーツドリンクを手に取ると「乾杯しよ?」と持ち上げた。

コン…

缶を当ててプルタブを引こうとして手を止めた。

「何?」

「これ…炭酸じゃないよね?」

「…さあ?どうだったっけ?」

尊の悪戯っぽい顔。




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