銀杏
「そううまくいくといいけど…。そうだ。今度咲の学校に練習試合に行くことになったんだ。二、三年の先輩は公式戦でいないから俺たち一年だけで。」
「へえ。応援には行かないの?」
「レギュラー以外の二、三年だけで30人はいるんだぜ。一年まで行ったら何人になると思う?人数が多過ぎて俺たちは茅の外。」
「そんなに?尊だったら来年のために見に行きたいんじゃないの?」
「そうだけど伝統らしくて、ずっとこのスタイルなんだってさ。」
「ふーん。」
「んで、咲はその日見に来る?土曜日だしクラブないんだろ?」
「うん!行きたい。」
「よーし、俺の勇姿を見せてやろう。」
得意気に言う態度にクスクスと笑いが込み上げた。