銀杏


「そううまくいくといいけど…。そうだ。今度咲の学校に練習試合に行くことになったんだ。二、三年の先輩は公式戦でいないから俺たち一年だけで。」

「へえ。応援には行かないの?」

「レギュラー以外の二、三年だけで30人はいるんだぜ。一年まで行ったら何人になると思う?人数が多過ぎて俺たちは茅の外。」

「そんなに?尊だったら来年のために見に行きたいんじゃないの?」

「そうだけど伝統らしくて、ずっとこのスタイルなんだってさ。」

「ふーん。」

「んで、咲はその日見に来る?土曜日だしクラブないんだろ?」

「うん!行きたい。」

「よーし、俺の勇姿を見せてやろう。」

得意気に言う態度にクスクスと笑いが込み上げた。




< 251 / 777 >

この作品をシェア

pagetop