銀杏


「……。」

「?」

「……。」

急に黙ってしまった尊。

本当に怒らせちゃった?

「…ブリン、食えよ。」

「あ、うん。」

一人もそもそと食べる間、尊は一言も発しない。ただ時々ジュースを飲むだけ。

今喋ってたのに急に黙ってしまう。尊が何を考えてるのかわからない。

「ごちそうさま。」

食べ終えると、おもむろに話し出した。

「咲。一つだけお願いきいてやる。今日頑張ったからそのご褒美。何がいい?」

「え…。今プリンとジュースもらったよ?」

「それは咲が欲しいと言ったものじゃない。お前が欲しいもの。但し、あんまり金かかんないのにして。」

「えー、お金のかからないものー?…何でもいいの?」

「うん。」

「んーと…。」




< 253 / 777 >

この作品をシェア

pagetop