銀杏


「それ…俺が言ってることと一緒じゃん。」

カーッと頭に血が上る。

「違うよ!尊は…えっと…う…そうだ。嘘。私に嘘ついたから怒ってるんだよ。」

駄目だ。これ以上言い訳すると、つい本音を言ってしまいそうになる。

たくさんの女の子に囲まれて、楽しそうにする尊に腹が立って、


焼きもちを妬いたんだと――。


クックックッ…笑いを堪える尊。

恥ずかしくて更に顔を赤くした。

「あのな…。」

尊はゆっくりと話し始めた。




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