銀杏


ニッと笑って咲の顔を下から覗く。

「ふ…ふん!」

何か…変。
確か尊に怒ってたんだけど…。
何で私がやり込められてるの?まるで私の方が悪かったみたいじゃない。

そっぽを向いてブツブツ文句を言ってると、

「来いよ。」

手首を掴んで引っ張って行く。

「昼飯食ったの?」

「ううん、まだ。」

「んじゃ、何か食おうぜ。俺、腹減った。」

二人で校内を回って焼きそばやおにぎりを食べ、クレープにジュースにチヂミに…。

「よく食うな。」

「お互い様。」

ダーツゲームをしたり、ビーズ細工のお店でお揃いのストラップを買ったりした。

時折、友だちにからかわれたりしながら、尊は時間いっぱいまで一緒にあちこち回ってくれた。




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