銀杏
「そんな仲って…アドレス交換したのはついこの前だし、送ってもらったのだって話の流れでそうなっただけだよ。」
「……。」
尊はブスッとしたまま咲に背中を向け、プチっとテレビを消す。
「あ、何で消すの?今観てたのに。」
尊の勝手な行動にイラッときた。
「大体私を責めるなんて尊はできないでしょ。尊だって女の子に騒がれてるくせに。私が北条さんと仲良くなったからって、そんなに怒んなくてもいいじゃない。第一、やましいことがないから尊の前で電話できるんでしょ。」
テレビを点けようと伸ばした腕を掴まれてソファーに押し倒された。
「きゃっ。何す…。」
尊は仰向けになった咲の上に跨がって、襟元をぐっと掴んだ。