銀杏


咲の後ろからぎゅっと抱きついて離れない。

何度も鳴る度に力が込もって、ずっと立ち尽くしていた。

気がつくと尊は着替えの途中だったのか上半身裸で、そうとわかった途端、ボッと耳まで赤くなるのがわかった。

「あの…服着て?」

「え…あ、わり。」

やっと離れて手にしていたスエットに袖を通した。

「まだ…鳴ってるね、雷。」

「…ん。」

「もう…遅いから寝よ?……一緒に。」

「え…咲?」

「雷…苦手でしょ。ずっと傍にいるから。」

尊の手を引いてベッドに潜り込んだ。

初めはお互い両端に寄って背中合わせの状態だった。


でも…


「咲、手貸せ。」

「ん。」

「相変わらず冷たいな。足は?」

そう言って絡めた足はやっぱり冷えていて。
尊の足が暖かい。

「温めてやる。」

いつの間にか尊に包まれるように眠りに就いた。




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