銀杏


「何?また俺が盗ると思ってんの?」

考えてたことを見透かされてドキリとした。

「そ…そんなことないよ。」

慌てて否定したけど尊は気にしてない様子で、「ごっそさん。」と自分の食器を下げ、私の後ろを通った。



…油断した。



通り様にパクっとやられた。

「あーっ!尊ったらまた!!」

「油断大敵。学習しろよ、バカ。」

頬張ったまま、リビングから出て行った。

くう――っ、悔しい――!!




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