銀杏
見せられたその写真は、若くはあるけれど母その人だ。
見つけた…!
おばさんと北条さんが見守る中、顔を上げ視線を合わせた。
「…母…です。」
「本当に?本当に貴女のお母さんなの?間違いないのね!?」
「…はい。」
大きく頷くとおばさんは咲をぎゅっと抱き締めた。
「よかった…よかったわ。ずっと気になっていたの。辞めた理由もわからなくて、私たち雪乃さんに嫌な思いをさせたのかも…て心配で。
ああ、今すぐにでも会いたいわ。こちらから伺ってもいいかしら?」
おばさんはとても嬉しそうに話していたかと思うと、急に肩を落とした。
「…でもいきなりは駄目よね。何か理由があったんでしょうから。咲さんから先にお話して下さらないかしら?」
すがるような視線を向けられ、返事に困って俯いた。