銀杏


時々真聖んとこのおばさんが来る程度になったんだ。今は真聖のおばさんも仕事でいないし、ずっと話がしたくてウズウズしてた。趣味といったら庭いじりだし…。

きっと体が悪かった頃は、咲ちゃんのお母さんがいてくれたから救われたんだと思うよ。」

「そう…ですか。」

おばちゃんも言ってたけど、お母さんは人の話を「うんうん」とよく聞く人だった。

だからきっとおばさんの話をにこにこと聞いていたんだろうな…。

「そう言えば…」

「?」

「兄貴は母さんと話さないのに、雪乃さんとは話してたな。よく部屋から笑い声が聞こえてたよ。」

「へえ。…お兄さんていくつなんですか?私、まだ会ったことない…。」

「あー、そうだな。最近忙しいみたいで、帰るのも遅いからね。
俺とは10歳違いだから、一人っ子が二人いるようなもんでさ。兄弟っていってもこれだけ離れてちゃ喧嘩にもなんないし。」




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