銀杏
補助席の私は先に降りなきゃいけなくて、仕方なく尊を置いて外へ出た。
みんなが出るのを待って、もう一度起こしに行った。
考えてみれば、何で尊のために私がこんなことしなきゃいけないのよ。
…て普通なら思う。でもやらなきゃ滅茶苦茶不機嫌になるんだもん。…尊の召し使いじゃないんだからしなきゃいいのに、しなけりゃしないで気になるんだ。
尊も気ままだけど私もバカ…。
「尊!起きろ!!」
両耳を引っ張り叫んでやった。
「うおっ!びっくりしたぁ。」
「もう。トイレ休憩だよ。早くしないと時間ないよ。」
「えっ。マジ!?」
尊は私を突き飛ばし、慌ててバスを降りた。
あいたあ。酷いじゃない。私だってトイレまだなのに。もうっ、尊なんか嫌い!!