銀杏
朝、お腹の辺りに違和感があって目が覚めた。
「うーん……苦…し…。」
気がつくと顔を覗き込む尊が目の前にいる。
「な…なな…何で尊が…。うー、重い…退い…てぇ…。」
「やっと起きたか。」
今まで咲のお腹の上にどっかと座って見下ろしていた尊は、咲の頬を挟んで潰すと、
「おい。約束忘れたんじゃねえだろうな。後30分で用意しろ。でなきゃ今日は中止にすんぞ。」
え―――っ!!
と言いたいのに「う―――っ!!」としか言えず、慌てて起きた。
もう、今何時…9時――!
嘘…。
朝一の9時からの回を観ようって言ってたのに…ごめーん尊。