銀杏
外したタイミング
冬休みも終わり、新学期が始まった。
休み明けすぐに行われた課題テストを終え、クラブの用意をしている時に「一文字。」と福田くんに呼ばれた。
「今日、クラブの後、一緒に帰らないか。話があるんだ。」
話…?何だろう。
不思議に思いながら「わかった。じゃあ正門のとこで。」
と返事をした。
「福田くん!」
クラブを終えて、正門のところで立っている福田くんを見つけ、走り寄った。
「ごめんね。待たせちゃった?」
「いや、俺も今来たとこ。行こうか。」
二人肩を並べて歩く。
「…ねえ。背伸びた?」
「さあ?測ってないけど、去年の春よりは伸びてるんじゃない?」
「いいなあ。私ももうちょっと伸びて欲しい。」