銀杏


そしてお楽しみ会は幕を開けた。

まずはダンスのグループ。

男子が女子の制服のスカートをはいて登場した。それだけでワーワーと盛り上がって、K-POPの曲が流れると更に湧いた。

だって男の子が踊るヒップダンスは大袈裟で、クイックイッと動かす腰がそこだけ強調されるから面白い。

その後は手品のグループがあって、私たちの番になった。

4つのペアが並び、司会の指示で動く。

先に尊が前に座り、後ろ手に両手が使えないように手首を紐で結んだ。

私はその後ろに中腰になり黒い布を二人一緒に被った。尊は顔だけ出して、私は頭からすっぽり被るので前は全く見えない。後ろの人は両手が使えるから、尊の前に置かれた道具を手探りで取らなくちゃいけない。見てる人は見えない後ろの人のために、右とか左とか教えてあげるんだけど、わざと嘘を教えたりするのもOK。

司会の声が聞こえた。




< 36 / 777 >

この作品をシェア

pagetop