銀杏


友美から連絡があって会ったのに、友美はあまり自分の話をしない。

何で?
佐古田先輩と何かあった?
何となく元気がないように見える。

「ね、今日、話があったんじゃないの?元気ないみたい。」

「…そんな風に見える?」

黙って頷いた。

「実はね…聖司くん…遠くへ行っちゃうかもしれない。」

「遠く?て、どのくらい?北海道とか沖縄とか?」

首を横に振るとボソリと呟いた。

「日本の反対側…かな?」

「はあ?何それ。わかるように説明してよ。」

「あの…ね…。」

友美にしては歯切れの悪い喋りに益々心配になる。

日本の反対側って…海外…だよね?
まだ高校生なんだし、卒業してからでしょ?
何をそんなに落ち込んでるんだろう。




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