銀杏


「では最初にベビーパウダーで顔を白くしてください。」

ベビーパウダーね。どこかな。

「もっと左、左。」

尊が言った。

あ、あった。これか。

左手にベビーパウダー、右手にパフを持ち、思いきり粉をつけて尊の顔めがけてポンポンポンとはたいた。

「う…げほ。けほけほ…。つけすぎだよ。」

「次は頬を赤くしてください。」

赤のマジックはどれだ?

いくつかのペンが手に当たる。

「あー、違う違う。もっと右。それだ。」

キャップを外して尊の頬と思われるところにペンを走らせた。

「げ!そこ違うって。もっと下…。うわ、顔引っ張んな。」




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