銀杏
尊VS真聖
落ち込んだまま北条家を後にする。
とぼとぼと歩いていると公園に差し掛かった。
まだ家に帰る気にもなれず、公園に入って行った。
最近は日も長くなってまだ明るい。でももう子どもは遊んでないや。
真ん中にある山に登って空を見上げる。
雲がオレンジ色に染まって、青いキャンパスに彩りを添える。
もうすぐ夜がやって来て黒く染め上げてしまうのに、その前に最高の景色を残そうというのか。
この空は今のこの時だけ。
明日になればまた違う色だ。
二度と同じ空ではない。
こうしている間にも刻々と色は変わる。
日は沈み、うっすらと明るさがわかる程度。東の空は星が光だした。