銀杏


お楽しみ会を終えて、夜8時。みんなレジャーシートを持って外に集まった。グループ毎に別れてシートを敷いて寝転ぶ。

寝転ぼうとしたら誰かが肩をトントンとした。見ると尊がしーっと人差し指を口元で立てて手招きをする。

黙ってついて行くと、みんなから少し離れたところでシートを敷く尊。

「ここの方がよく見える。」

…本当だ。みんなのところは薄暗く外灯が点いてる。でもここは後ろに木々があって真っ暗だ。

星がよく見える。

無数の星が煌めいて吸い込まれそう。

大きいのや小さいの、普段見えない星が輝いている。

「きれい…。星ってこんなにたくさんあるんだね。」

「うん。」

「流れ星、見えるかな。」

「さあ…。何か頼むのか?」




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