銀杏


「…いいじゃん別に。」

「よくない!…もし尊に頼れなくなったら、きっと別の人に甘えてしまう。こんなじゃいつまでたっても子どもと一緒だよ。」

「それの何がいけない?」

「…いつまでも一緒にいるとは限らない。友美だって先輩と離ればなれになる。」

「そんなこと気にしてたのかよ?」

「そんなことじゃないもん!」

「たとえ離ればなれになったとしても、縁が切れる訳じゃない。
それに友美ちゃんだって、急にそんな話が出て驚いてるだけだろ?ということはいずれそうなった時のために、覚悟をしておく。それが友美ちゃんなりの愛し方だ。
咲なら駄々をこねるのか?」

「そんなことしないよ!」

「だったら今の気持ちに素直なままでいいんじゃないの?俺を頼りにするとかしないとか、学校が違ってもそんなに変わんないだろ?」




< 402 / 777 >

この作品をシェア

pagetop