銀杏


「…一文字……ごめん。」

いくら隣で謝ってくれても、咲の心には届かない。

『いらない子』

悲しくて…

悲しくて…

助けて…



「…咲…ちゃん?」

聞き覚えのある声。

「…タカさん。」

頭から上着を掛けられてるのに咲だと気づいてくれた。

「…北…条さ……。」

誰かにすがり付きたくて……

助けて欲しくて……

北条さんの……

胸に……



飛び込んだ……





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