銀杏
いつものように寝る前に部屋に来た尊にミッチの話をした。
「そいつ、ミッチだっけ?遠目に俺を見ただけで友だちになりたいの?変な奴だな。
友だちって言ってもピンキリだから。そいつがどういう風になりたいのか知らねえけど、顔見知りぐらいならいいよ。」
……そうなんだ。OKするんだ。
「…そ。尊の顔見知りってどの程度?」
「んー、会ったら『よう』て言う程度。アドレスも電話も交換しない。色々話をされてもスルーだな。」
「へぇ…スルーなんだ。」
「興味ない話されてもつまんねえし、そんなことより……」
尊は立ち上がると咲の隣に腰を下ろし、左腕を咲の首に回したと思ったら右手でデコピンをした。
「いったあ!何すんの?えいっ!」
ここぞとばかり尊の脇腹をくすぐる。
「わはは…やめろって。」
お互いをくすぐってきゃあきゃあ暴れる。
しばらくすると疲れて二人でドタッと床に大の字になった。
「はあ…あー、疲れた。」