銀杏
おばちゃんの低い声が顔を強ばらせた。
「えと…その、話をして…」
「で、一緒に寝たの?」
「べっ、別に…そんなこと…して…ない……。」
おばちゃんの顔が険しくなっていくのがわかる。
こ…怖い!
「お、おばちゃん!遅刻しちゃう!急ぐから!!」
おばちゃんの背中を押して部屋から出てもらうと、着替えてすぐに家を出た。
あ~、びっくりしたぁ。半分寝ぼけて言っちゃった。
バレたかなあ?
それにしても尊はいつ自分の部屋に行ったんだろ?
…もしかしたら朝まで寝てた?だったら起こしてくれればいいのに。
空を見上げた。
今日は一日雨かもね…。
はあ、憂鬱。
楽しみはお弁当ぐらい…
あ?お弁当?
………忘れた…
もううぉ―――!
ついてなーい!!!