銀杏


治ってる…?

「どうしてそう思うの?」

「いつも咲のことを大切に思ってる人たちが傍にいるから。みんなの愛情が咲を満たしてくれる。一人の恐怖から救ってくれる。勿論その中に俺も入ってる。」

「…うん。そうだね。私にはみんながいる。尊も尊の両親も、お兄さんたちも友だちも、みんなに感謝しなくちゃいけないね。」

「ああ、そうだ。俺も咲には特別感謝してる。俺を救ってくれたのは君だ。部屋に閉じ籠るようになってから、こんなに話ができるようになるとは思わなかった。職場でもよく『明るくなった』と言われる。それは咲のお陰だよ。」

「えー?そうかな。何か…照れ臭いや。えへへ。」



「大会、…頑張れよ。必ず行くから。」

「…うん!」

固い約束を交わして家路についた。




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