銀杏


そのうちおばちゃんは尊と喧嘩になって、とうとう尊が折れた。

やっと正面を向いた尊は眉間に皺を寄せ、口をへの字にした顔で収まった。

「何だよ、この顔。もうちょっと普通にできないの?もう一枚…。」

「母ちゃんが一枚でいい、つーから正面撮らしてやったんじゃん。どんな顔でなんて注文付けなかっただろー。」

おばちゃんはため息をつき、尊はさっさと制服を脱いだ。




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