銀杏


でも今は知ってしまった。
急激に接近するのは目に見えてる。
だから忠告しとく。
あの子を絶対泣かせるようなことしないで。
わかってると思うけど、あの子は幸せにならなきゃいけないの。

尊のこと信用してるからね。」

母ちゃんはそう言うと「以上、終わり!」と話を切り上げた。

参った…。
全部知った上で見て見ぬふりだったなんて。
やっぱり母ちゃんだよ。

お互いのことをよく考えて行動しろってか。

でもこれでコソコソせずにいられる。
…と言っても堂々とイチャイチャするわけじゃないけど。



咲の部屋を覗いたらよく寝てた。
疲れもあったんだろう。
明日、朝練はパスしよう。今日はずっと咲の側にいる。

おでこに熱冷シートを貼ったら少し顔をしかめたけど起きなかった。

久々にゆっくり休め。

俺の大切な…咲。



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