銀杏
尊の意地悪
正門の前で待つこと数十分。
尊どころか誰も出てこない。
野球部やサッカー部の声やボールを打つ音はする。
まだやってるのかなあ?
暑い…疲れた。も…帰ろかな。
「誰か待ってるの?」
突然後ろから声をかけられて振り向いた。
赤いジャージに白いTシャツ、セミロングの髪を後ろで一つに束ねた綺麗な女の人が立っていた。
先生なのかな。
「あ…あのテニス部はまだ練習終わらないですか?」
「んー、後15分位で終わると思うわ。
ここじゃ暑いでしょ。こっちの日影で待ってたら?」