銀杏
うつ伏せに寝転んで、両手を左右に真っ直ぐ伸ばした尊の腕を肩から順に、手のひらでぐりぐりと転がすように手首に向かって何度もマッサージする。
「おー、気持ちいいー。俺、このマッサージ大好き。」
「そお?」
気持ちいいと言われて気をよくした咲は、せっせせっせとかいがいしくマッサージする。
太い腕。
私も結構太いけど筋肉のつき方が全然違う。
…当たり前か。
………。
さっきから随分やってるけどまだかな?
「あの…まだ?」
「んー……。」
じゃあ、後少し。
せっせせっせ、せっせせっせ…
「もういい?」
「ん。あー気持ちよかった。サンキューな。」
「お返しに俺もマッサージしてやろうか?」
「本当に?うわー、嬉しい!やってやって。」
「おい、何寝転んでんの?座れよ。」
え…何だ、座るのか。
「腕やってくれるんじゃないの?」