銀杏
そんなあ。
う―――!どうしよどうしよどうしたらいいのー!恥ずかしい。
さっきから尊は目を閉じて待ってる。
「まだ?」
うっ!
「た…尊からしても同じでしょ?」
「同じな訳ないじゃん。ほら、早くしないとこれからハグもキスも絶対しないからな。」
そ…それはないよ~。
ええい!
覚悟を決めて一瞬だけチュッとしたけど…外しちゃったよ…。
尊の鼻の頭にしちゃった……。
目を開けた尊は何とも言えない複雑な顔をして、ぷ―――っ!!と吹き出した。
「あははは…た…確かにそれもキスだよな。ぶふっ…はははっ。」
外したキスに大笑いする尊につられて咲も笑うと「今度は目を開けてていいから。」と、もっといじめてやるという顔をした。