銀杏
第六章
水泳に込められた想い
水泳大会の日。
朝から快晴だ。今日も暑くなりそう。
蝉の大合唱の中、目的地へ向かった。
中学の時、ここのプールで2位になった。
尊がお祝いらしからぬお祝いしてくれて…。
今日はお兄さんが来てくれる。初めて見てもらうことにドキドキする。
尊はテニスの試合を一週間後に控えて、来れるかどうかわからない。
とにかく頑張るのみ!
咲の出番は午後からのため、午前中に出場するメンバーの手伝いをする。
福田くんは去年出れなくて今回が初めて。でも彼はスイミングを習っていて、会場の様子をよく知っている。あまり緊張は感じられなかった。
ミッチは…客席をキョロキョロ見渡している。
たぶん、尊を捜してるんだろう。
あれからミッチは尊のことを訊いてこないし、話しかけもしない。
振り回されたみたいな感じだ。