銀杏
ドキドキして怖くて近くで観戦できない。
負けるとは思わないけど、回りの雰囲気にも圧倒され、一番遠い所からひっそりと応援することにした。
試合が始まるとどの試合も迫力があって、選手たちの気迫が伝わってくる。
尊の試合は第三試合。今二試合目だから次だ。
更にドキドキしてきた。
こんなんじゃ試合が始まる前にバテそう。
じっと目を閉じていたら、拍手が沸き起こった。
見ると選手はコート中央で握手を交わしてる。
終わったんだ…。
尊はすでにベンチに入る準備をしていた。
前の選手と入れ替わりにベンチに入り、じっと観客を見渡す。
こんな遠くにいるのにわかる訳ないじゃん。
でも尊はこちらに視線を向けて目を凝らす。
え…見えた?まさか。
尊は前を向いてコートに向かった。