銀杏
ベッドに入って包帯を眺めた。
好きな人と一緒に暮らすってこんなに幸せなのか。
近くにいるからこそ触れられなくて辛いこともあるけど、いつも傍にいるんだと思うと安心する。
まるで精神安定剤だな。
ふっ…
明日、今日のように左で勝てるとは思わない。
この手でどこまでできるかわからないけど、やってみるしかないな。
無様な試合はできないのだから。
怪我で負けたなんて言われたくない。
咲。俺、頑張るから。明日ちゃんと見守ってて。
深い眠りに落ちていった。