銀杏


ベッドに入って包帯を眺めた。

好きな人と一緒に暮らすってこんなに幸せなのか。

近くにいるからこそ触れられなくて辛いこともあるけど、いつも傍にいるんだと思うと安心する。

まるで精神安定剤だな。
ふっ…

明日、今日のように左で勝てるとは思わない。
この手でどこまでできるかわからないけど、やってみるしかないな。

無様な試合はできないのだから。
怪我で負けたなんて言われたくない。

咲。俺、頑張るから。明日ちゃんと見守ってて。

深い眠りに落ちていった。




< 513 / 777 >

この作品をシェア

pagetop