銀杏
それから毎日毎日学校から帰るとあちこち探した。
でもクラブにも参加した後に探すのは時間もないし、体力的にもきつい。
水泳は雪乃が帰ったらタイムが縮んだことを驚かそうと頑張っていたけど、帰らない日々にだんだんモチベーションも落ちていって…ついには辞めてしまった。
学校には行くものの、部屋に籠り、家族をシャットアウト。
思い出に浸り、誰とも話さなくなっていった。
母や父の雪乃を探しもしない態度が、俺の反発心に拍車をかけ、更に頑なになっていった。
………そんな俺の心にスッと入ってきて、そのまま居座ってしまった咲。
彼女は俺の全てをかけて守りたい。