銀杏
一人悶々と考えていると扉をノックする音が聞こえた。
「コンビニ行ってくる。」
「一緒に行く!」
「欲しいものがあるなら買ってきてやるよ。何?」
「……いい。」
「あそ。んじゃ、待ってて。すぐだから。」
ただ一緒にいたかっただけなのに。
尊は軽快な足取りで階段を降りて行った。
バタン…
玄関の閉まる音がする。
はああ~。疲れた。
ラグに座ってベッドに頭を乗せた。
試合を見てるだけだったのに。
手が気になって緊張したからかな。
眠い。
尊は元気だなあ。
………
そのまま眠りに落ちていった。
「タケルくん、あそぼう?」
「うん、いいよ。」
「サキもいれて!」
「サキちゃんはダメー!」
「何でえ~?」
悲しくて目に涙が溜まる。
「う~…。」
必死になって涙が溢れないように我慢する。