銀杏


一人悶々と考えていると扉をノックする音が聞こえた。

「コンビニ行ってくる。」

「一緒に行く!」

「欲しいものがあるなら買ってきてやるよ。何?」

「……いい。」

「あそ。んじゃ、待ってて。すぐだから。」

ただ一緒にいたかっただけなのに。

尊は軽快な足取りで階段を降りて行った。

バタン…

玄関の閉まる音がする。

はああ~。疲れた。

ラグに座ってベッドに頭を乗せた。

試合を見てるだけだったのに。
手が気になって緊張したからかな。
眠い。
尊は元気だなあ。

………

そのまま眠りに落ちていった。



「タケルくん、あそぼう?」

「うん、いいよ。」

「サキもいれて!」

「サキちゃんはダメー!」

「何でえ~?」

悲しくて目に涙が溜まる。

「う~…。」

必死になって涙が溢れないように我慢する。




< 535 / 777 >

この作品をシェア

pagetop