銀杏


薄いTシャツに半ズボン。ブラジャーなんか着けてない。
急に恥ずかしくなってもう片方の手で胸を覆った。

尊はその手を剥ぎ取ると咲の胸の上に手を添える。

ドクンドクンドクン…

そして耳を当てた。

「…咲の胸……凄い。」

「な……何が?」

「大きな音で…服の上からでも動きがわかるぐらい…。」

尊は咲の上に覆い被さるように移動し、耳を胸に押し当てたままじっと聞いてる。

「……尊、私…死んじゃうかも。」

「は?何で。」

「……恥ずかしくて…。」

「ぷっ…何言ってんの。恥ずかしくて死んだなんて聞いたことない。」

「でも…」

「大丈夫。…咲は何が心配?」

「………。」

何が心配…て訊かれてもそんなの答えられる訳ないじゃない。

もっと抱き締めて…
もっとキスして…
もっと触れて…

きっと尊が思ってるのは…




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